
■普通のカップルを描くアラサー恋愛漫画、美味しいです。■
310さん(という名前)の漫画『アラサーだけど、初恋です』が面白いです。タイトルそのままの一発ネタながら、アラサーなのに初々しいカップルが萌える、萌える。
いや、そうはいっても特に萌え系に特化しているというわけでもないし、ハーレムものでもなければ、エロくもない、もちろんボーイズ・ラブでも百合でもない、ごく普通の平凡な作品なのだけれど、それでも面白い。
というか、その「普通さ」が案外とレアな価値だったりするのかもしれません。
少女漫画があまりにも特異な方向に特化していった結果、以前はけっこう見かけた「普通の恋愛もの」が意外に希少価値になって来ているんじゃないかな、ということですね。
ここら辺は以前、かずまこをさんの『ディアティア』シリーズあたりを読んだときにも感じたことです。
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ディアティア かずまこを 白泉社 2011-05-31 売り上げランキング : 138049 |
ごくノーマルでスタンダードな恋愛ものが、意外に大きい需要を持っていたりするわりにある種の空白地帯になっているんじゃないかということ。少なくともぼくは読みたいんですよ!
まあ、すでにアラフォーのぼくが読むには青くさい内容といえるかもしれないけれど、大丈夫、萌えオタの心は年老いないのだ! いつまでも精神年齢13歳のままなのだ!
■過剰な萌えラブコメからの原点回帰。■
これについてはペトロニウスさんが以前、この本の感想で挙げていましたね。
『ヲタクに恋は難しい』なんかも、何が面白いかよくわからないけど、好きだったんですよ。だって、これも、要はラブコメじゃないですか。ヲタクとか、社会人とか、年齢が上がったとかの要素の落差のコメディーは、ほとんど機能していない気がするんですよねー。ただ単に、普通の学園ラブコメを、別の舞台で見ているだけ。でも、そういうふつーのものが、これまでの常識でマーケットの需要はあるのに、出なかっただけ、、、、だったんじゃあ!!!とか。だからこそ、むしろ特に濃くない、落差を強調しない、普通の作品を、その舞台で描く、特に差異を際立たせないフツーの作品のほうこそが需要があるのではないか!!!と。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20180601
まあ、そういうことだと思います。オタク系の萌え漫画はあまりにも奇形的に進歩しすぎて、一般人が読むにはちょっとハードルが高いものになっちゃっているけれど、本来はこういう「胸がきゅんきゅんする感じ」を狙った作品だったはずなんですよね。
そういう意味では、原点回帰といえるのではないかと。個人的には『To Heart』とかそういう往年の名作ギャルゲーを思いだしますね。ええ、いまでもマルチとか葵ちゃんとか芹香先輩とか好きです。萌えです。
■恋愛は漫画に限る(ダメな発想)。■
まあ、ほんとにただのラブコメなので特筆するべきポイントは何もないのですけれど、いや、可愛いなあと思いますね。恋愛ものって、変に恋愛慣れしていない人たちを描くほうがキュートな感じに仕上がるよね。
ペトロニウスさんも書いているように、アラサーなのに、ということはいまとなってはあまり意味をなさない話ではあるとは思います。
アラフォーだけれど片想いすら経験がないぼくみたいな非モテというか恋愛不感症人間もいることだしね! 好きとか嫌いとか最初にいいだしたのはだれなのかしら♪
まあ、現実だったらこんなふうにはいかないのかもしれないけれど、漫画だから大丈夫! 日本のラブ系フィクションはほんとうに素晴らしい文化です。Amazonでも評価高いしなー。
そういうわけで、ぼく的にはわりときゅんきゅんしながら読めた漫画なので、非常にオススメです。
このあいだアニメ化していた『ネト充のススメ』あたりと同じカテゴリの作品ですね。ちなみに『ネト充のススメ』も面白かったので、そちらもオススメです。良い恋愛漫画を読めるしあわせよ。
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いや、ほんと、ぼく、個人的には恋愛感情とか全然わからない人間なんですけれどね。いや、漫画で読んでいる分には良いのだけれど、リアルでやることには、「ぼくが人とか好きになってもしょうがないしな。そもそも好きにならないしな」と思ってしまう感じ。
まあ、漫画で読むだけで良いかなと。初々しい萌え恋愛漫画を読んでみたい方は、ぜひぜひお手に取ってみてください。ちなみにネットでも読めるようです。

この記事を書いている人:海燕(かいえん)
プロライター。7月30日生まれ。2001年1月1日からウェブサイトをオープン。その後身のブログは1000万PVを記録。その後、ニコニコ動画にて有料ブログ「弱いなら弱いままで。」を開始、数百人の会員を集める。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を見るまでは死ねないと思っている、よくいるアラフォー男子。
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